患者向けコミュニティのPatientsLikeMe、中国のユニコーン企業等から1億ドル調達

 

アメリカを代表する医療情報の共有コミュニティ「PatientsLikeMe」が、中国のiCarbonXと既存投資家のInvusから1億ドルを調達しました。PatinetsLikeMeは患者やその周りの人々が自らの体験を共有し合うことで、人々が治療のための新しい選択肢を見つけたり、アウトカムを改善するための行動を取れるよう支援しています。また同社は、主要な製薬企業およびさまざまな政府機関と協力することで、患者の実際の意見を研究開発や公共政策に活かしています。

 

PatientsLikeMeとは?

PatientsLikeMeはヘルステックスタートアップの起業が盛んになった2012年より以前の、2004年に設立されました。弟をALSで亡くしたことをきっかけに、ヘイウッド兄弟(Ben Heywood氏とJames Heywood氏)は、患者やその家族同士がそれぞれの持つ経験や知識を共有できるようPatientsLikeMeを立ち上げました。

 

同サイト上には患者などの一般ユーザーだけでなく、医師や研究者もゲストとして参加することもできます。2015年に30万人だったユーザーが、2016年に40万人、そして2017年現在で50万人以上となり、世界を代表するオンラインの患者コミュニティにまで成長しました。

 

 

1億ドル調達の目的

PatientsLikeMeは、コミュニティとして経験を共有するプラットフォームだけではなく、ユーザーが日々自分の健康状態のデータを入力し管理するデータプラットフォームとしてのサービスも提供しています。研究者はこのデータにアクセスし、研究に活かすことができます。

 

PatientsLikeMeはさらに今後、ユーザーセンサーやウェアラブルなどのより豊かなデータを得る方法を検討しているとのことで、メンバーの一部から血液サンプルやDNAサンプルを採取するパイロットプロジェクトも開始しています。iCarbonXから調達しパートナーシップを提携したことで、遺伝子シーケンシングを含むプロジェクトに拡大できるようになるでしょう。

 

iCarbonXは中国のバイオテック・スタートアップで、創業から半年でバリュエーション10億ドルとなった急成長を遂げたユニコーン企業です。世界最大の遺伝子配列解明技術企業Beijing Genomics Institute(華大基因)の前CEOであるWang Jun(王俊)氏によって、人工知能とビッグデータを使って健康管理ソリューションを生み出すために創業されました。

 

参照: PatientsLikeMe Partners with iCarbonX and Secures $100+ Million Investment
画像:Patients Like Me

 

Author Profile

吉澤 美弥子
吉澤 美弥子Twitter:@miyakomx
慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げる。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、現在はシリコンバレーのベンチャーキャピタル、500 Startupsの日本ファンドに務める。