資金調達したヘルスケアスタートアップ7社まとめ【2015年8月編】

 
2015年8月に資金調達を行ったヘルスケアスタートアップー社をまとめてご紹介する。
 

女性の月経をトラッキングするスマートデバイスKindara

 
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Kindaraは8月19日、Boston Seed Capitalをリードインベスターとするシードラウンドの資金調達を行った。このほかに、SOS Ventures, Good Works Venturesらが今ラウンドに参加した。同社はこれまでに3度の資金調達を行い(一度のコンバーチブルノートを含む)、総額690万ドルを調達している。
 
同社が提供しているスマートデバイスは、女性が妊娠できるようサポートしたり、予期せぬ妊娠を防ぐ支援をしている。体温や、膣分泌物、月経、性交渉に関連するデータを収集することで、支援を可能にしている。MobiHealthNewsによると、ユーザーのうち65%が妊娠希望の目的で使用し、残りの25%が避妊目的で使用しているという。
 
不妊に対する支援として、サービスやデバイスを提供するスタートアップは多いが、避妊をサポートするものは珍しい印象を受ける。避妊具市場やピル市場の大きさを考えると、十分なニーズがあると言える。
 

 

アストラゼネカ、ニュージーランドのスマート吸入器へ出資

 
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ニュージーランドに拠点を置くAdheriumが、オーストラリア証券市場にIPOし、2560万ドルを調達した。これには製薬メーカーアストラゼネカからの出資、300万ドルが含まれる。同社とアストラゼネカは2015年7月に長期的な業務提携を締結している。
 
Adheriumは患者の服薬アドヒアレンスを高めるための、スマート吸入器Smartinhalerを開発・提供している。COPDや喘息といった慢性呼吸器疾患患者の症状と服薬状況をスマートフォンやタブレット、PCで管理することができる。
 
同様のデバイスを提供している会社では米ウィスコンシン州に拠点を置くPropellar Healthがある。Safeguard Scientifics 、The Social+Capital Partnershipらからこれまでに2840万ドル調達している。
 

乳幼児のモニタリングを行うソックス型デバイスOwlet

 
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乳幼児のバイタルサインをモニタリングするソックス型ウェアラブルデバイスOwletが、Formation 8をリードとする700万ドルの資金調達を行った。今回米国の人気靴メーカーTOMS Shoesのファウンダーらが参加。さらにうち100万ドルは国立衛生研究所によるNIHグラント(学外の研究者に出す研究費)であった。同社はこれまでに総額920万ドル調達している。
 
同社は資金調達のリリースとともに、この秋デバイスの発売を行うと発表。発売に先んじて、すでにクラウドファンディングで2270万ドルを売り上げている。Owletは心拍数、皮膚温度、血中酸素を測れるが、医療機器ではなく、その数値は臨床的なものではない。また睡眠時の姿勢をモニタリングし、乳幼児突然死症候群を防止に有効だと言える。
 
同様に乳幼児向けのバイタルモニタリングを行うデバイスとして、洋服型のMIMO、足首バンド型のSproutlingなどがある。
 

セカンドオピニオンとのマッチングサービスGrand Rounds

 
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セカンドオピニオンを探す患者や雇用主と、専門医をマッチングするプラットフォームを提供するGrand Roundsが、Greylock, Venrock, Harrison Metal, David Ebersmanらから5500万ドル調達した。同社はこれまでに総額1億600万ドルを調達している。
 
同サービスは単に患者がセカンドオピニオンを探すためのプラットフォームではなく、従業員に医療保険を提供する雇用主向けにコストパフォーマンス管理としてサービスを提供している。従業員が治療を受ける際に、雇用主がより良い医師を探すことで医療費の無駄をなくすというものだ。
 

病院予約のZocDoc

 
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病院検索・予約サービスのZocDocが新たに1億3000万ドル調達し、これまでの調達総額は2億2500万ドルとなった。同社は2007年に創業し、米国のヘルスケアスタートアップブームを牽引したとされている。これまでにFounders FundやKhosla Ventures、SV AngelといったトップティアーのVCの他に個人投資家としてアマゾンのジェフ・ベゾス氏らがZocDocに出資している。
 
米国は日本と異なり、病院によって同じ処置でも医療費が違っていたり、また加入している医療保険によって対応している医療機関が制限されているといった特徴がある。そのため消費者は病院を検索する際に医療費と医療保険について調べる必要があり、ZocDocはそういった情報も踏まえて医療機関を提示してくれる。
 
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競合のBetterDoctorは2011年創業とZocDocと比べると後発ではあるが、これまでに1000万ユーザーが利用しており、ユーザーによって100万人の医師の口コミがされている。
 

医療費比較ツール・APIを提供するPokitDoc

 
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医療費比較ツールを提供しているPokitDocが新たにLemhi Venturesらから3400万ドル調達し、これまでの調達総額が3700万ドルに達した。
 
2011年にLisa Maki氏とTed Tanner氏が創業した当初、同社はユーザーが自分の近くの医師を探せるサービスとしてアプリとブラウザサービスを提供開始。その後同社は価格比較ができるサービスとなった。現在では、複数の保険者や医療従事者を支援するツールを開発者向けにも提供している。EMRや院内予約管理システム、医療保険管理システム、マーケットプレイス、ECといったツールがそれぞれが連携しており、包括的に管理できるようなエコシステムとなっている。
 

不整脈モニタリングのスマートデバイスを提供するInfoBionic

 
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患者のミニタリングのためのスマートデバイスを提供しているInfoBionicがSafeguard Scientificsや、米国大手保険会社Blue cross Blue Shieldの子会社Zaffre Investmentsらから800万ドル調達した。同社はこれまでに2720万ドル調達している。
 
InfoBionicが開発しているMoMe Kardiaは、心電図・呼吸状態・運動状態をトラッキングすることで不整脈を監視するデバイス。ネックレスとして首からかけたり、ベルトに装着して使用する。すでに診断用のデバイスとしてFDAの承認を獲得している。
 

Author Profile

吉澤 美弥子
吉澤 美弥子Twitter:@miyakomx
慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げる。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、現在はシリコンバレーのベンチャーキャピタル、500 Startupsの日本ファンドに務める。