作業効率化を超えるグラス型ウェアラブルデバイス、JINS MEME

 

本メディアではこれまでアメリカを中心とする海外のウェアラブルデバイスについて取り上げてきたが、その中でもGoogle Glassなどのグラス型デバイスの医療現場での導入事例の記事は特に反響が大きかった。総務省の26年版IT白書でも、「メガネ型端末等においては従来のスマートフォンやタブレットでは困難であった医療現場や、その他業務現場においても様々な情報検索、円滑なコミュニケーションといった活用が期待される」と取り上げられている。実際に米国ではGoogle Glassを臨床現場で導入していたり、病院用のアプリなども開発されている。

 

 

そんな中、日本の人気メガネメーカーJINは全く異なるグラス型デバイスJINS MEMEを発表し、CES2015でウェアラブル最優秀賞を受賞した。加速度センサーとジャイロセンサーによってとれる体軸や姿勢角といった情報に加えて、3点式眼電位センサーによって眼の動きを追うことができる。正しく「自分をみつめる」グラス型デバイスであり、これまでのグラス型デバイスと大きく異なる。この独自の技術により、例えば運転手の眠気を察知してアプリから音楽を流すといった居眠り運転防止などが可能になるという。

 

同社は現在SDKを公開しており、今後様々な開発者によって多くのアプリがでてくることが期待できる。Pebbleの戦略のように多くの開発者がソフトを開発することで、ユーザーの体験は劇的に向上するのではないだろうか。

 

 

眼は様々な身体・心理状態を表すことから、今後多くの活用が期待できる。一看護学生としては、現在ある構音障害を持つ方向けの会話用デバイスの発展が非常に気になるところであり、MEMEの技術を是非この分野で活用してほしいと考えていたりする。

 

着けていることを感じさせないというMEMEの特性を生かすとすれば、より生活に密着したサービスとの相性がいいかもしれない。運動面と心理面のデータをMEMEでとり、高度で専門的なアドバイスがもらえるようになれば、意識せず専門家と一緒にいることが可能になり、これまでの健康管理の認識が大きく変わるだろう。

 

Author Profile

吉澤 美弥子
吉澤 美弥子Twitter:@miyakomx
慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げる。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、現在はシリコンバレーのベンチャーキャピタル、500 Startupsの日本ファンドに務める。