ジョブメドレー運営会社が疾患ごとの病気情報サービスを公開、共同代表に医師の豊田氏が就任

 
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医療・介護従事者の求人サイトJobMedley(ジョブメドレー)を提供している、株式会社メドレーが一般消費者向けの疾患情報サービス「メドレー」のα版をローンチした。これに併せて共同代表取締役に、医師でマッキンゼー出身の豊田剛一郎氏が就任したことを発表した。

 

病気に関する知識だけではなくニュース、実際に病気を経験した方々の体験談や悩みなど、さまざまな情報を疾患ごとに集約して伝えていく。メドレーに掲載される情報は難しい専門知識ではなく、「患者さんが知っておくと良い」と医師が考えた内容だ
。同社は多くの医師が共通に必要だと考える情報を提供するために、1疾患あたり最低5人の医師の意見を踏まえた情報のみを提供出来るよう正式公開までに体制を整えていくという。

 

「患者さんやご家族が治療の意思決定したり、より良い生活をしていく上で必要な情報がきちんと理想的な形で伝わることが重要です。この必要な情報を患者さんが知っていることで、医療従事者の負担も減り、スムーズな医療が実現します」(豊田氏)。

 

医師として臨床現場で務めていた豊田氏は、患者やその家族が重要なことを知っておくことが必要だと考えている。創業者で共同代表取締役である瀧口浩平氏は、患者家族としての経験から与えられる情報の少なさを問題だと感じていた。患者やそのご家族が必要な情報を知っておくことで、医療従事者と患者双方にとって良い治療、闘病生活に繋がるだろう。

 

きちんと理想的な形で、病気について伝えられているサイトは少ない。疾患名で検索をすると、無責任な回答をしている匿名のQAサービスや不安を煽るような内容の販促ページが検索結果上位にくるのが現状だ。
 

「間違っていないが、患者さんが理解出来る内容でなかったり、誤解を招きかねない情報を載せているサイトが多かったりします。一般の方に観て欲しいと勧められるのは厚生労働省のサイトや製薬企業のサイトと限られてきてしまうのが現状です」(豊田氏)。
 

豊田氏と瀧口氏は「正しい医療情報」を提供するというのは非常に難しく、実現するにはしっかりと現場を知る医師が集まって検討する必要があると考えている。メドレーが目指す「正しい情報」とは医療体験に活かせる、治療に活かせるような情報であり、実現させるために今後医師や医療従事者との協力体制を整えていくとのことだ。

 

アメリカのヘルスケア関連のスタートアップでは、「ITに強い起業家・高度な技術力を持つエンジニア・ビジネスと臨床経験両方ある医師」という3トップのチームが理想型、一般型となりつつある。しかし国内では医師が専業で経営陣に加わることは未だ多くはない。
 

今回豊田氏はメドレーにジョインした経緯について、以前に瀧口氏と日本の医療のあるべき姿について語ったことが大きかったという。
 

「元々小学校時代からの仲でしたが、僕が医師になった後に瀧口が家族の闘病生活の中で感じた問題を話してくれたんです。僕も医師という立場から患者の持つ情報の少なさに問題を感じていて、お互い医療のあり方について語り合ったんです。その時のことがあって今回の就任の話があると思います。経営に強く、患者家族としての経験を持つ瀧口と医師である僕が組むことでメドレーへの思いを実現させていきたいです」(豊田氏)。
 

ヘルスケアという領域においては、通常の企業としての利益だけではなく、人の健康や人生に関わるという姿勢が求められるのではないだろうか。同じ理念を持った経営者と医師が、タッグを組んで挑むメドレーの今後に注目していきたい。

 

Author Profile

吉澤 美弥子
吉澤 美弥子Twitter:@miyakomx
慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げる。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、現在はシリコンバレーのベンチャーキャピタル、500 Startupsの日本ファンドに務める。