医療機器メーカーEarlySenseは、患者用のモニタリングデバイスを開発している企業だ。パッドサイズのセンサーであるEarlySenseは、マットレスの下に設置して様々なバイタルデータをモニタリングすることが出来る。今回更新されたバージョン2.0では、患者の褥瘡や落下を防ぐために、病院のスタッフのパフォーマンスをトラッキングする機能が追加された。
入院患者の健康管理
入院患者の健康管理として、落下や転倒、褥瘡や感染症の管理を行うことは極めて大切だ。入院患者の3%が落下を経験するとされており、その30%は重大な怪我に結びついているというデータが有る。また、褥瘡は全入院患者の5%に起きるとされ、褥瘡は寝たきりや感染症、長期の入院に繋がる。
パッド型のモニタリングシステム「EarlySense」
EarlySense 2.0はパッド型のセンサーで、呼吸と心拍数、さらには運動データをモニタリングしてモニターに送信する。マットレスの下に設置するために患者に触れずに種々のデータを取得出来るので、患者側のストレスも少ない。
従来は、看護師の仕事を削減・サポートするという意図で、よりリスクの低い患者に対して使用するように設計されていたが、酸素飽和度を測定する機能を追加して、より重症患者にも対応できるようにした。
またEarlySenseは、患者の心拍数がしきい値を超えた場合に看護師にアラートを行うことが出来る。継続的なモニタリングによって、患者の悪化を未然に察知することも可能で、急変により迅速に対応することが出来る。
以前、車椅子患者の褥瘡を防ぐためのパッドについての記事を執筆したが、術後の健康管理は医療費削減や、患者のQOL向上のために大きく注目されている分野だ。ウエラブルデバイスや、今回のパッドの様にストレスフリーでバイタルデータを取得できるデバイスの需要は、今後も増えていくだろう。
via 【EarlySense】
via 【Medcity】
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- ライターTwitter:@kazuki24_
- 慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。
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