外科用生分解性ナノファイバーによる組織間の接着

 

新たな細胞間結合手法としてポリマーナノファイバーを使用した接着方法が注目されている。今までは問題があり、使えなかった素材が発想の転換で使用可能になった背景を探る。

 
 

外科用生分解性ナノファイバーによる接着とは

 

ポリマーナノファイバーは細胞同士を接合する外科用接着剤として期待されてきたが、現状におけるエレクトロスピニングなどの応用手法は、使用過程で電流などを生じさせてしまい、正常な細胞を死に至らしてめてしまうことから臨床利用には不適切であるとされてきた。しかしこの度、Maryland大学で開発された手法は、強固な結合を実現しつつも、細胞を傷つけることがないということで注目を浴びている。

 

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その手法とは、ストリートアーティストたちやインテリアデザイナーたちが使う極普通のエアブラシを使用し、PLGAとアセトンを混ぜたものを溶媒として、患部に吹き付けるだけである。この手法がいかに臨床応用に効果的かどうかを調べるために、豚のモデルを使用して、肺、腸、肝臓までを切断した横隔膜ヘルニアモデルの患部を覆い結合することに成功した。また、周辺の細胞に対する影響はなく、42日後に生分解性を示したということだ。

 
 

筆者の所感

 

今回の開発はスプレー状に吹きつけられる生分解性の接着剤の話しであるが、革命的なのは、非常に簡単に、かつ安全に施術を行える手段となりうるということではないだろうか。

 

今後も改良が重ねられ、実用化のレベルにまで到達することを願う。

 
 

参考URL:

論文:

 
 

Author Profile

中込 翔
中込 翔Twitter:@gomessdegomess
ゴメスこと中込翔。慶應理工システムデザイン工学科卒業。脳血管のシミュレーションの研究を行った。現在はインドのシリコンバレー:バンガロールにてソフトウェアエンジニア。ヒューストン大学の博士課程に合格、9月進学予定。ブレイン・マシン・インターフェイスにおける研究を行う予定・
個人ブログも展開中。