喘息の患者は、ピークフローメーターと呼ばれる器具を用いて彼らの呼吸状態の管理を毎日行う必要がある。ピークフロー値を毎日記録し変化量を見ることで、発作の予知や、日常の喘息コントロール状態を把握することが可能となる。
ポーランド発のスタートアップ「My Spiroo」は、従来までのピークフローメーターとは異なり、モバイルでの管理を可能にするガジェットを開発した。
喘息患者によるピークフロー値の管理
ピークフロー値とは、目一杯に吐き出した息の速度(最大呼気流量)のことで、ピークフローメーターを使って測定する。この数値を毎日記録することによって、自らの気道の状態の把握に繋がり喘息のコントロールを可能にする。例として、低い数値が続いている時は、気道が狭窄しており、発作が起こりやすい状態なので注意が必要となる。
(従来のピークフローメーター 引用元:amazon)
従来のピークフローメーターは非常に簡易的な器具で、グラフも自ら書き込んで作成する必要があった。「My Spiroo」はスマートフォンに接続することが可能な、初のピークフローメーターである。
スマホ管理できるピークフローメーター「My Spiroo」
My Spirooは、ヘッドフォンジャックを通してスマートフォンと接続。測定結果は自動でアプリ上に記録され、従来のように反復してグラフを記載する必要はなくなる。
今後は、GPS情報と統計情報を追加し、ユーザーから匿名で収集した喘息データを公衆衛生学的に活用していくことも検討していくようだ。例えば、喘息発作を起こした人が多い場所をマッピングすることで、ユーザーに警告を行うことを可能にする。
以前、喘息の吸入器に装着するセンサーについての記事を書いたが、このガジェットも喘息患者に必要となる煩雑な記録作業を簡便化する技術だ。
My Spirooは医師用と、患者用に機能が削減された物の2つのバージョンが存在する。My Spirooは、先日のポーランドのスタートアップコンテストで2位を受賞し、今年度中の発売を目指して開発が進められている。
via 【My Spiroo】
via 【techcrunch】
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- ライターTwitter:@kazuki24_
- 慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。
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