YコンとMicrosoft、無料のエイズワクチンを開発する非営利団体に出資

 

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米国の非営利団体、Immunity Projectが無料で提供できるエイズワクチンの開発を進めている。

 

このプロジェクトで開発しているワクチンは冷蔵保管を必要としないため、コストを軽減できる。またこのワクチンにはウイルスは一切含まれていない。ワクチンは通常、毒性を弱めた状態の病原体(生ワクチン)や、死んだり不活性化された状態の病原体を含んでいるもの(不活化ワクチン)が多い。Immunity Projectのように病原体を含まない場合は、タンパク質などの精製物質などが含まれており、生ワクチンに比べリスクが少ないとされている。
同プロジェクトは現在、人の血液で実験を行う段階まで開発が進んでいる。(人体で実験を行うのではなく、人の血液を注入したマウスでの実験をおこなっている。)

 

YコンやMicrosoftも出資、非営利組織のプロジェクト

 

同プロジェクトはこの冬、Y Combinatorのプログラムに選ばれた。Y Combinatorはシード資金として2万ドルを提供するだけではなく、パートナーのSam Altman氏が自らの血液を実験のために提供すると発表している。

 

ImmunityProject

 

 

 (写真:Immunity Projectより)

Y Combinatorが非営利団体に出資するのは2013年冬のプログラムに選ばれたWatsiに続き二例目だ。(Watsiは病気の人が医療費を募るためのクラウドファンディングサービス。)Y Combinatorが非営利組織に出資する狙いは不明だが、公式サイトの発表では出資を寄付(donate)と表現していて、インパクト投資(CSRの一環としての投資)だと思われる。

 

Immunity ProjectはY Combinatorの他にMicrosoftからも100万ドルを調達し、クラウドファンディングで46万ドルを調達している。(Kickstarterなどの既存のクラウドファンディングサービスは、医療行為を行うプロジェクトの掲載を禁止している。そのためImmunity Projectは独自のシステムを使用した。)

 

様々なスタートアップとの合同キャンペーン

 

VCからの資金調達の他に、同プロジェクトは、様々な団体とパートナーシップを組んでいる。パートナーとともに様々なキャンペーンを展開し、資金調達を行っている。

 

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現在進行中のプロジェクトではGeeklistとコラボでハッカソンを開催する予定だ。このハッカソンではImmunity projectの資金調達に関するソリューションを開発する。

 

Geeklistの他に、もらったスマホで管理できるギフトカードを提供しているGyftやゲームアプリ会社のA Thinking Apeなどがパートナーである。Gyftは2013年12月のカードの売上を全額Immunity projectに寄付している。

 

 

発展途上国での感染予防に期待が集まる

 

現在エイズ患者は3500万人にも及ぶとされ、更に毎日6300人が新たに感染していると言われている。その中でも特にアフリカのサハラ砂漠以南の地域で患者数が圧倒的に多く、この地域での対応が求められている。発展途上国で拡大するエイズを止めるためにも無料ワクチンに期待が集まっている。

 

 

Author Profile

吉澤 美弥子
吉澤 美弥子Twitter:@miyakomx
慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げる。外資系証券会社の株式リサーチ部で、TMT市場に関わる調査アシスタントなどを経て、現在はシリコンバレーのベンチャーキャピタル、500 Startupsの日本ファンドに務める。