片頭痛を治療する、世界初のウエラブルデバイス「Cefaly」

 
ベルギー発のスタートアップ「Cefaly」は、片頭痛に対する予防治療用のウエラブルデバイスを開発した。Cefalyは、片頭痛に悩む患者の半分を治療出来るとしており、患者のQOLを大きく向上させる可能性を秘めている。
 

世界の10%が悩まされている片頭痛

片頭痛は、日常生活に支障をきたす頭痛のことであり、頭部の一領域に波打つような痛みを引き起こす。典型的な片頭痛の症状は4時間から72時間持続し、症状には光や音に対する過敏性の亢進や、悪心や嘔吐を伴なうことも多い。
世界で約10%の人が片頭痛に悩まされているとされ、女性の患者が男性よりも3倍多いとされている。
 
片頭痛の治療は慢性化を防ぐという観点から行われており、主にカルシウム拮抗薬や抗てんかん薬などの薬物が用いられているが、継続的な服薬による医療費の負担増加が大きな問題となっている。
263_442208089132972_1763428022_n

Cefalyは、FDAによって承認された世界初の片頭痛予防のためのウエラブルデバイスであり、薬の代替治療となることで患者の医療費を抑えることが可能だ。
 

片頭痛を治療する、世界初のウエラブルデバイス「Cefaly」

Cefalyは、頭に着用する小型のウエラブルデバイスであり、経皮的神経電気刺激装置(TENS)だ。額の中央に粘着性の電極を使用してデバイスを装着し、皮膚とその下の体組織に電流を流すことで、三叉神経の枝を刺激し片頭痛を予防することが出来る。
Cefalyは18歳以上の患者にのみ適応があり、1日1回20分までの使用に限られる。
pic-cefaly
Cefalyを用いた臨床試験では、プラセボのデバイスを使用した際よりも有意に片頭痛の頻度が低下した。ただ、完全に片頭痛が無くなることはなく、また発生した片頭痛の強度を下げることはなかったが、それでもその効果は大きい。
 
ヨーロッパでは、40日間のトライアルを43ポンドで受けることが出来る。購入する場合は、295ポンドだ。片頭痛は依然として原因がわからないために効果的な治療法が少ないが、Cefalyは1つ大きなブレークスルーとなるかもしれない。
 
via 【Cefaly
via 【MedGadget
 

Author Profile

松村 一希
松村 一希ライターTwitter:@kazuki24_
慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。