ハーバード大の医学生が開発、喘息の子どものための育成ゲームアプリ「Wellapets」



ボストンを拠点にしているLifeguard Gamesが、喘息の子ども向けに育成ゲーム「Wellapets」を開発した。Wellapetsで遊ぶことで、子どもは彼らの喘息を適切に管理する方法を自然に学ぶことが出来る。

増える喘息の患者と治療費

世界中で数億人、アメリカだけで2500万人の患者がいるとされている喘息。喘息は、吸入器と呼ばれる器具を用いて適切なタイミングに治療薬を吸うことが重要である。(吸入器に装着するセンサーについて、以前書いたので参照して欲しい。)
患者が適切に喘息を管理することが出来れば、1人あたり年間で$700-1000の医療費を削減できるとされている。
 
LifeGuard Gamesは、子どもが保護者のiPhoneやiPadでゲームしている様子を見て、医療といま流行りの育成ゲームを掛けあわせる、いわゆるゲーミフィケーションさせることを思いついたという。

喘息患者のための育成アプリ「Wellapets」

Wellapets1
Wellapetsは、通常の育成ゲームの楽しさに加えて、ゲーム内のキャラに吸入器を使用するアクションや、喘息の原因物質を除去するために掃除をするアクションなどが含まれている。このアクションを反復していくことでゲーム内のキャラを育成するのと同時に、子どもは自然に病気との付き合い方を学んでいくことが出来る。
 
Wellapetsは、2月下旬にリリース予定で、iOSとアンドロイドに対応。$4で購入することが出来る。


LifeGuard GamesのCEO、Alexander Ryuはハーバード大学医学部の学生であり、妹のAnnie Ryuらと共に起業した。LifeGuard Gamesは、ボストンの学生スタートアップを支援しているRough Draft Venturesから$7500をシードラウンドで調達した。

医療ゲーミフィケーションの分野では、以前に認知リハビリテーションのゲームについて記事を書いた。LifeGuard Gamesは今後も肥満や食物アレルギーに関する育成ゲームアプリも提供していく計画であり、これからも注目していきたい。


via 【Lifeguard Games
via 【Medcity

Author Profile

松村 一希
松村 一希ライターTwitter:@kazuki24_
慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。