エストニア発のスタートアップCognuseによる、認知リハビリテーションシステム



医療技術が進歩し救えなかった命が救えるようになった今、リハビリの重要性が増している。エストニア発のスタートアップであるCognuseは、脳卒中や外傷による脳へのダメージなどから復帰するための、認知リハビリテーションシステムを開発している。


Activity of daily lifeという考え方

日本を含む先進国では要介護の高齢者の割合を減らすために、疾患の治療後にいかに高齢者の身体や脳の機能を回復していくかが大きな問題となっている。その際の指標の一つとなるのがActivity of daily life(ADL)という考え方だ。
ADLとは日所生活活動能力のことで、「人が毎日の生活を行うために各人が共通に繰り返す、様々な基本的かつ具体的な活動」である。

 

ただ単に寿命をのばすのではなく、QOLやADLをあげてサクセスフルエイジングを達成することが、今の老年医学の場で求められているのだ。

クラウドベースの認知トレーニングシステム

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Cognuseはリハビリ・予防分野の認知トレーニングを開発している、エストニア発のスタートアップである。Conguseの認知トレーニングシステムは、料理やお買い物、洗い物やアルバムの整理などの日常の動作をゲーム化することで、意思決定や思考の柔軟性などをトレーニングすることが出来る。

 

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またこのゲームを行うことで、日常生活を過ごすのに必要な思考パターンを取り戻させるのみならず、成功体験を積み重ねることで老化や手術によって失った自信や威厳を取り戻すことにもつながる。iPadなどのタッチスクリーンデバイスを用いて家庭でもリハビリを行うことが出来る為、クラウドを通じて同期されることで医師が簡単に進捗状態を確認することが出来る。


高まる在宅医療の必要性

日本を含む先進国では、高齢化に伴う社会保障費の増大や社会的入院が大きな問題になっている。
これらの問題に対応するために、厚生労働省の示す「医療提供体制の確保に関する基本方針」のもと、都道府県の作成する医療計画の中では、在宅医療を増やすことが目標として掲げられているのだ。つまりは、自助を基本として、住み慣れた地域で継続して生活を送れるようにその時々の状況や変化に応じて適切なサービスを提供する、地域包括的なケアが求められていくことが考えられる。
 
遠隔診療や在宅診察のニーズが医師側からも患者側からも高まっていく中、このようなクラウドを活用した医療サービスというのはこれからも注目していきたい。

 
via 【Cognuse
via 【LimeJS


Author Profile

松村 一希
松村 一希ライターTwitter:@kazuki24_
慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。