仕事をしながらカロリーを消費できる、スマートデスク「Stir」



長時間デスクに向き合って仕事をすることは腰痛を引き起こすのみならず、肥満の要因にもなる。米カリフォルニアの企業の開発したスマートデスクStirは、革新的な解決になるかもしれない。Stirはユーザーの行動パターンを学習し、デスクが最適なタイミングでその高さを変えることで、ユーザーを立たせてカロリーを消費させることが出来る。

 

腰痛と肥満を引き起こす、座位での作業

座位での作業は、腰に多大な負荷を与える。Wilkeらの研究によると、直立状態に比べて一般的な作業姿勢である腰から前屈の姿勢では、ヘルニアの好発部位である第4.5腰椎への負荷が、1.6倍の負荷がかかっているとされる。成人の約70%以上が腰痛を訴えているとのデータもあり、腰痛は社会人の一般病とも言える。

 

また、座位での作業を続けることは肥満の要因にも繋がる。厚生労働省によると、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合、身体活動レベルはⅡ群とされ、座位中心の仕事より消費カロリーが高いと定義されている。

 

腰痛予防や、フィットネスという観点から、バランスボールや立位での作業台を導入している企業も見られるが、このスマートデスクStirはまた新たな解決策となるかもしれない。


スマートデスクStirの機能

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スマートデスクStirは、机自体の高さをボタン1つで変化させることが出来る。1日のうちで立位での作業時間を計測することで、消費することの出来たカロリーをトラッキングすることが出来る。

 

注目すべきはactive modeという機能で、Stirデスクに内蔵されているアルゴリズムがユーザーの仕事のパターンを把握し、体勢を変えるのに最も適切なタイミングに自動で机の高さを変更するのである。操作はいたってシンプルで、内蔵されているタッチパネルから自分の立位と座位の机の高さを登録し、立位でいたい時間時間を入力しておくのみである。

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Stirデスクには、BluetoothやWiFiが内蔵されているため、スマートフォンで消費したカロリーなどを記録でき、将来的にフィットネスアプリとの連携も視野にいれている。また、USB/AC用のポートも内蔵されており、パソコンやスマホのケーブルもスマートに収納できる。色は4色から選ぶことが出来、値段は約40万円($3,890)である。

 
 
職場で出来るトレーニングとして、アイソメトリックエクササイズ用のデバイスであるTao Wellshellを紹介したが、一年の内で最も長い時間を過ごすであろう職場でも、健康に気を使う流れがどんどん加速していくように思う。

 


 

via 【Medgadget

via 【厚生労働省


Author Profile

松村 一希
松村 一希ライターTwitter:@kazuki24_
慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。