オープンソースの脳波計が、クラウドファンディングで1000万円を集める



頭に思い浮かべただけで、物を動かしたり、人にイメージを伝えることが出来たら、それは夢の様な技術ではないだろうか。ブレイン・コンピュータ・インタフェース(Brain-computer Interface : BCI)と呼ばれるこの分野において、今回開発されたオープンソースBCIプロジェクトはその発展を加速させるものになるかもしれない。


加速するBCI分野の開発

ブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)とは、人と機械の情報の仲介のためのプログラムや機器であり、特に脳波を解析して機械へ電気信号を出力するためのものである。
そもそも脳波とは、人の脳が活動することで生じる電気信号であり、人間の感情や思考、動作の様子を表している。医療では、てんかんや脳麻痺の患者の診断などに用いられており、脳の様子を視覚的に捉えるためには欠かせないものとなっている。
 
BCIは、脳内での思考を制御可能な電気信号に変換し、コンピュータや機械を操作することが出来るという、SFのような技術である。現時点でも身体麻痺の患者とのコミュニケーションや身体機能再生のための神経義肢、さらには軍事兵器などにも一部応用されている。
しかしながら、機材が高価な上に機器によってデータのフォーマットが違うなどの理由から汎用性が低く、一般的な人々が利用するのに足る環境からは程遠いのが現状である。

 

オープンソースの脳波計の開発

OpenBCIプロジェクトでは、低コストかつプログラム可能なオープンソースの脳波計を大量生産することで、誰でも脳波を調べ、脳波を活かしたデバイスやソフトウエアの開発を進める為のオープンなプラットフォームを作り出すことを目指している。

95734651f31bf11b4bc62e9b86625bfd_large

OpenBCIの脳波計は、Arduino基板などを活用し、3Dプリンターによって制作することで、低コストかつ個人向けにカスタマイズされたものになっている。脳波のデータはBluetoothを用いて転送し、転送されたデータはGithubに公開されたソフトを用いることで、個人のPCで活用することが出来る。
OpenBCIはクラウドファンディングサイトので資金調達を行っており、脳波計というニッチなデバイスながらも現在約120万円(約$124)を集めるまでに至っており、専門家のみならず、一般人からのニーズ・注目度の高さがうかがい知れる。
 

医療分野でも加速する、メイカームーブメント

Screenshot_1

以前、オープンソースハードウエアの遺伝子増幅機である、鳥人間社のNinjaPCRを紹介したが、Arduinoや3Dプリンターなどの開発が進んだことで生まれたメイカームーブメントは、確実に医療の分野にも進んでいる。

また、ヘルステック系のデバイスのクラウドファンディングでいうと、先日紹介にしたフィットネスデバイスのSculptは約3000万円と多額を集めており、ますますこの流れは加速していくだろう。

 

今回のOpenBCIプロジェクトによって、脳波に対するアクセスが格段に容易になり、脳波を活用した革新的なデバイスやソフトの開発が大きく進むだろう。医療系のガジェットが廉価になり一般に広まっていくことが、医学の発展にどう影響を与えていくのか、モデルケースとして大きく注目される。

 

via 【gizmag
via 【

Author Profile

松村 一希
松村 一希ライターTwitter:@kazuki24_
慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。