温度計に変わる最新診断デバイスScanadu

 

一家に一本はあるであろう温度計。今その常識を覆すようなデバイスScanaduが話題を呼んでいる。Scanadu Scoutの開発者であるWalter De Brouwerはアメリカの各家庭に彼の医療「トライコーダー」を普及させたいと考えている。

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Scanaduとは

 

Scanaduはたった数秒でありとあらゆる診断を可能にするデバイスだ。体温、呼吸速度、血中酸素濃度、心拍数、血圧、ストレスなど、今までなら医者にかからなければ分からなかった情報を瞬時に計測することができる。測るための操作は実に単純で、手のひらサイズの円形デバイスを持ち、額に当てるだけだ。計測されたデータはスマートフォンのアプリで確認することが可能で、アプリは多人数の情報を保持することもできる。

 

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こうしたデバイスが生まれた背景には病院の存在がある。開発者であるDe Brouwerは病院に3つの主要な分野が内在していることに気づいた:①ER(生体信号)②イメージング(CTとMRI)③ラボ(液体、尿、血液、唾液)である。彼はこうした特異なデータセットを統合する形でScanaduを実現したのだ。

 

 

Scanaduが歩んできた道、そしてこれから

 

2013年7月、Scanadu ScoutはクラウドファンディングプラットフォームのIndiegogoで137万ドル(約1億3700万円 1ドル=100円換算)の調達に成功。同時に同プラットフォームにおける最高額成功プロジェクトとしての称号も手に入れた。

 

そして2013年11月、ベンチャーキャピタルから1050万ドル(約10億5000万円)の出資を受けることに成功したことを発表。その後FDA(アメリカ食品医薬品局)からの認可を受けるべく2014年初頭に臨床応用を開始するとの声明も発表した。もしFDAの認可の受けることができれば医師たちもこのデバイスを利用することが可能になる。

 

デバイスはまず、Indiegogoで支援してくれた約8000人の人々に今年3月に届けられ、2014年の冬もしくは2015年の第一クォーターまでには一般顧客に向けて商用化したい考えである。

 

 

Scanaduが最終的に実現したい未来のコンセプトビデオ

 

 

筆者が考えるに

 

Scanaduが出しているコンセプトビデオを見てもらえれば分かると思うが、最終的にこのデバイスが目指す所は診断の自動化である。従来「家庭の医学」などを利用し家族が生半可な知識を元に、また定性的に病状を判断することが多かった。

 

しかし今回のようなデバイスの出現によって、多種類の診断結果を元に、アプリが数値データを用いて定量的に判断を行うことによって、より適切な処置を促すことが可能になる。またこうしたデータというものは利用しやすく、そのまま医者に送ることで、緊急の場合にもより迅速な処置を行うことが可能になるだろうと予想される。

 

またサービスを提供する会社としては、診断データを位置情報などと連携させることで、インフルエンザの流行などの兆候を早期に、定量的に判断し、拡散の予測・予防などに繋げることができる。これによって従来までは困難であった天気予報ならぬインフルエンザ予報なども、各地域ごとに詳細に行うことができるのではないかと考えられる。

 

 

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Author Profile

中込 翔
中込 翔Twitter:@gomessdegomess
ゴメスこと中込翔。慶應理工システムデザイン工学科卒業。脳血管のシミュレーションの研究を行った。現在はインドのシリコンバレー:バンガロールにてソフトウェアエンジニア。ヒューストン大学の博士課程に合格、9月進学予定。ブレイン・マシン・インターフェイスにおける研究を行う予定・
個人ブログも展開中。