Owlet社のOwlet Vitals Monitorは乳幼児の健康管理ためのウェアラブルデバイスだ。今回のCESで行われた、TechCrunchのハードウェアバトルフィールドで注目を集め、最終審査まで残ったプロダクトの一つである。足に履かせるタイプのデバイスで、一見普通の靴下と相違ない。この靴下にはシリコン樹皮でカバーされた小さなセンサーが内蔵されており、乳幼児のバイタルデータをトラッキングし、Bluetooth4.0によって保護者のスマートフォンなどにデータを送信してくれる。(USBやWiFi経由でパソコンへのデータ送信も可能だ。)
測定可能なバイタルデータは心拍数、酸素レベル、皮膚温度、睡眠の質、寝相の4つで、すべてグラフ化して管理することができる。何より注目すべきなのは睡眠時の体勢もトラッキングしてくれる点だ。ご存知の方も多いかと思うが、乳幼児のうつぶせ寝の防止は『乳幼児突然死症候群』の有効な対策である。Owlet Vitals Monitorで乳幼児の体勢や寝相をモニタリングすることで、原因不明の突然死を防ぎやすくなるだろう。同社はクラウドファンディングをサイト上で行っていたが、目標の10万ドルを大きく上回り、1290ユーザーから260,869ドルを調達している。現在の小売価格は250ドル。送料は不明だが、アメリカ国外からの購入も可能だ。
また、「乳幼児の睡眠に特化した、ベビー服型ウェアラブルデバイスのMIMO」も注目を集めている。MIMOは乳幼児の呼吸数、睡眠状況、そして室温の変化をモニタリングしてくれるデバイスで、両親はリアルタイムにスマートフォンで確認できる。iOSとAndroidに対応していて、現在事前予約を受け付けている。
参考
Owlet Infant Health Tracker Takes The Wearable Revolution Into The Crib
Do Tiny Humans Need Wearable Tech?
Author Profile

- Twitter:@miyakomx
- 慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げる。その後米系ベンチャーキャピタル500 Startupsの日本ファンドを経て、現在はCoral Capitalで投資担当を務める。
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