考えただけで義手を動かす「神経義肢」

 

義肢と聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか?僕は真っ先に鋼の錬金術師のオートメイルを思い浮かべます。鉄の義肢なのですが、神経に接続して本物の手足のように動かせる人工義肢。今回紹介する技術はまさにそんな夢のような技術の実現です。

 

 

ある兵士の新たな人生

 

Andrew Garthwaite 26歳。英国出身。2010年9月、アフガニスタン戦争の際、彼はグレネード弾を受けて右腕を失いました。血の滲むような訓練と手術を経て、彼は新たな生体工学義肢を得ました。アンドリューはこの義肢を用いた新たな生活が素晴らしいものになると確信しているといいます。

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どのようにして彼は新たな腕を得たのか

 

最新の義肢を手に入れる前、彼は手術で神経を再配置し、日常生活でどのように義肢を用いるかを学ぶための訓練を何ヶ月にも及んで行ったそうです。その後、彼は6時間にも及ぶ手術をオーストラリアで受けることになります。この手術ではTargeted Muscle Reinnercation (TMR) という施術を行いました。

 

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本来ならば彼の手まで伸びていたであろう神経を彼の肩から抽出し、彼の胸に再配置しました。つまり彼は、手術後の18ヶ月間、胸から手が生えているような感覚を味わっていたということです。彼はこの新しい手の使い方をそれこそ赤ん坊が自らの身体の使い方を少しずつ学んでいくように学びました。この手の使い方をある程度習得した状態で、電極を装着。それが胸の手を動かす信号を感知し、生体義肢とうまく接続することで新たな義肢を自らの手を操作するように操作可能になったとのこと。

 

この義肢を開発した生体義肢会社のOtto Bockによると、このタイプの新しい上腕義肢は、元々腕を操作するのに利用されていた神経を利用して、同じように操作できるということで、従来の義肢よりもより自然な動きを再生することが可能だということです。

 

 

未来への期待

 

今回紹介した技術はまさに僕が今アメリカでやりたい研究テーマです。Brain Machine Interface(BMI)やNeural prosthesis という名前で各有名大学で研究が行われています。中でも、ブラウン大学では最近、ロボットアームと患者の脳をワイヤレスで接続することに成功しましたし、スタンフォード大学ではもっと直感的に扱えるような意思解析のアルゴリズムを開発していました。

 

個人的にこうした脳で何かを制御する技術はこれからもますます進化していき、世の中の当たり前の基盤になると思っていまして、日々進む技術革新に目が話せません。

 

 

ビデオ

 

 

 

参考URL:
http://spacecoastdaily.com/2013/12/video-special-soldier-fitted-with-bionic-arm/
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-tyne-25320455
photo credit: iampeas via photopin cc

Author Profile

中込 翔
中込 翔Twitter:@gomessdegomess
ゴメスこと中込翔。慶應理工システムデザイン工学科卒業。脳血管のシミュレーションの研究を行った。現在はインドのシリコンバレー:バンガロールにてソフトウェアエンジニア。ヒューストン大学の博士課程に合格、9月進学予定。ブレイン・マシン・インターフェイスにおける研究を行う予定・
個人ブログも展開中。