逆流性食道炎を治療する、新しいウエアラブルデバイスがFDAに申請中



アメリカのSomna Therapeutics社は、逆流性食道炎の患者に用いる新しいウエアラブルな医療器具をFDAに対して申請しています。逆流性食道炎は胃から食道に酸が逆流することを引き起こす疾患ですが、Somna Therapeutics社のReza-Bandは簡便かつ効果的にこれを治療できるようになるかもしれません。

 

逆流性食道炎とは

米国では何百万人もの人々が、逆流性食道炎に苦しんでいます。患者1人につき年間3500ドルの負担がかかり、米国だけで540億ドルの医療費が費やされているこの疾患は、上部食道括約筋の機能不全により引き起こされます。上部食道括約筋は喉仏や喉頭隆起の下に位置し、喉に胃内容物の逆流を防ぐ機能があります。
この筋肉の過度な弛緩によって、喉頭や咽頭、肺に食道から胃内容物の逆流が主に寝ている間に生じます。この酸の逆流は、慢性的な喉の炎症や咳、しわがれ声、喘息、嚥下困難、肺炎や睡眠障害などの多くの困難で不快な症状を引き起こします。

 

ウエアラブルデバイスによる、新しい治療法

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上部食道括約筋の補助デバイスである、Reza-Bandはウィスコンシン医科大学と共同で2012年3月に設立された、Somna Therapeutics社によって開発されました。一般的に睡眠中には上部食道括約筋の筋肉が弛緩しますが、その筋肉が弛緩しすぎてしまうことで、胃内容物が逆流してしまうのが、逆流性食道炎の主な病態です。

 
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Reza-Band は非薬理学的なウエラブルデバイスで、首の周りに着用し軟骨領域に圧力を与えることで、上部食道括約筋の圧力を増加させ逆流を防ぐことが出来ます。逆流性食道炎の患者は、薬を服用する必要がなくなり、酸逆流による様々な不快感から解放されるのです。

 
 
 
先日、Somna Therapeutics社はエンジェル投資家から120万ドル追加で調達し、現在計200万ドルを調達しています。Reza-Bandは臨床研究にて有意な結果を示してきたため、現在FDAに申請を行っており、臨床現場でこのデバイスが活用されるのもそう遠くないかもしれません。

Author Profile

松村 一希
松村 一希ライターTwitter:@kazuki24_
慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。