「2013年海外で注目を集めたセルフケア用ウェアラブルデバイスまとめ①」にてご紹介した、ライフログのトラッキングデバイスのMisfit Shineを開発するMisfit社が1520万ドルもの大型の資金調達を行った。同社は2011年10月創業、2012年4月にベンチャーラウンドでも760万ドルを調達していて、本社のカルフォルニア以外にホーチミンやソウルにも進出している注目の企業である。
販売中の製品Shineについてはこの記事をご覧になっていただければわかるが、これまでのウェアラブルデバイスと比べるとかなりスタイリッシュさを売りにした独特のデザインをした製品である。リストバンドタイプが主流のなかでラウンド型のデザインで、価格は99ドルと比較的安価。使い方はシンプルでShine本体をペンダントにして衣服に装着するか、別売りの専用リストバンドやネックレスと合せてアクセサリーのようにして装着する。スマートフォンへのデータ移行は画面上にShineを置くだけで完了し、専用アプリで1日の運動量・睡眠量・マイルストーンを測定し数字とグラフィックで確認することができる。また運動量の目標値の設定も可能で達成率の管理もShineアプリ上で可能。素材はアルミ製で、航空技術にも使われている精密技術が用いられており、数々のデザインアワードで受賞している。本体99ドルの他に別売りのアクセサリー商品(19ドル〜79ドル)との組み合わせを楽しむことが出来る。いずれの製品もオンラインショップでの購入できる。
欧米・イスラエルのベンチャーに多額を投資するHorizons Venturesとは
今回の資金調達は2012年4月に続く二度目のベンチャーラウンドの調達で、Misfitはこれまでに総額2300万ドルを調達したことになる。今回はHorizons Venturesを初めとする7社からの調達であり、Khosla VenturesやPaypalのco-founderであるMax Levchin氏、Norwest Venture Partners、O’Reilly AlphaTech Venturesなどが出資している。今回の出資でメイン投資元であるHorizons VenturesはLi Ka-shing率いる、香港を拠点とする投資会社である。同社は2008年、SpotifyにシリーズAで2100万ドルを投資しているほか、Skype・Siri・Facebookといった現在の世界的企業に投資していることで知られている。最近だとWazeなどがポートフォリオに加わり、アメリカ・ヨーロッパそしてイスラエルを中心に51社に出資している。ファウンダーであるLi Ka-shingは、自身の会社であるCheung Kong Industriesを香港株式市場に上場させ、1979年にHutchison Whampoaと1985年にHongkong Electric Holdingsを買収し拡大を続けたことで知られている。彼は世界で11番目に裕福なひとらしく、非常に著名であるので気になる方は詳細をご覧になると面白いだろう。
二日前に筆者が記事執筆の為にMisfit社のサイトを訪問した際は英語のみであったが、現在では英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語二続き日本語やタガログ語まで16カ国語に対応しており今後が非常に期待される企業である。
参照
TechCrunch,CrunchBase,Forbes
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- Twitter:@miyakomx
- 慶應義塾大学看護医療学部卒業。在学中に海外のヘルステック企業やデジタルヘルス企業に関して取り上げる、HealthTechNewsを立ち上げる。その後米系ベンチャーキャピタル500 Startupsの日本ファンドを経て、現在はCoral Capitalで投資担当を務める。
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