フランス発の神経手術支援ロボット「ROSA」



日本ではまだまだ少ないですが、世界では手術支援ロボットを活用したロボット手術が増えています。以前、”手術支援ロボット「ダヴィンチ」による最先端医療現場”、という記事を執筆しましたが、今回は神経手術用のロボット、ROSAを紹介します。

 

ロボット手術とは

そもそもロボット手術とは、術者が直接臓器に触れることなく、ロボットに指令を出して行わせる手術のことを指します。内視鏡手術など患者の負担が少ない低侵襲な手術法は、手術野が狭く熟練者でないと難しいと言われていますが、手術支援ロボットを利用することにより簡便かつ正確に行うことが出来ます。あくまで、手術をサポートする為のロボットであり、医師の動きに従うもので、ロボットが自立して手術を行うことは出来ません。

神経手術支援ロボット、ROSA

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ROSAはフランスの企業であるMedtech社製の神経外科手術支援ロボットで、従来の外科手術の手順を損なうことなく、更にその手術を安全で信頼を高める事ができるマルチアプリケーションを備えています。
 
手術前に患者のデータをROSAに取り込むことで、ROSAに設定されている神経外科手術計画のためのソフトウエアを生かし、直感的に安全で最適な手術計画をたてることが出来ます。さらにその手術計画に従って自動でアームが移動することで、1mmのズレ無く手術を行うことが出来るのです。
 

ROSAのロボットアームは、人間の腕の動きと同様になるように設計されており、複雑な外科手術を行うにあたっても自由な軌道の選択の可能にしています。また、ロボットによる自動操縦と神経外科医による手動での操作を組み合わせることによって、ロボット手術でしばしば問題になる触覚による問題をクリアし、高度な触覚機能を有しています。

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ROSAはその独自の最先端技術を生かし、針などを頭蓋内に挿入する手術、例えばてんかんの手術、脳腫瘍の切除などはもちろん、生検、大脳皮質や脳深部刺激電極の設置、頭蓋骨を開けた手術のナビゲーションなどに用いることが出来、現在は脊髄の手術のために活用する道も模索されています。  
 

これまでに、ヨーロッパ、米国およびカナダでの臨床使用が認められており、約15の医療機関がすでに導入しています。今後2年間で合計約30台のロボットを設置し、売上高400万ユーロを達成しするために、Medtech社NewfundSORIDICMIDI CAPITALなどのフランス系ベンチャーキャピタルから投資を受けています。


Author Profile

松村 一希
松村 一希ライターTwitter:@kazuki24_
慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。