睡眠時無呼吸症候群を解決する、スタートアップ企業による超小型インプラントの開発



Nyxoahはベルギーにある、睡眠時無呼吸症候群に関する医療機器のスタートアップ企業です。現在の睡眠時無呼吸症候群の治療方法はフェイスマスクを着用して鼻から空気を送り込む、というものでしたがそこには様々な問題が有ります。Nyxoahは、従来とは全く違う手段によってこの問題を解決しようとしています。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気で、10秒以上の無呼吸・低呼吸が1時間に5回以上あるものをいい、40歳を超える男性の内、5人に1人は睡眠時無呼吸症候群に悩まされているというデータが有ります。
この主な原因の1つに、眠っている間に舌の筋肉が弛緩して喉へ落ちこむことによって、自らの気道を塞ぐことがあげられます。睡眠中に呼吸が止まると、体は低酸素状態になり心臓や脳に大きな負担をかけ、これが高血圧や狭心症、心筋梗塞や脳卒中などの重大な合併症を引き起こすことに繋がります。

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従来であれば、睡眠時無呼吸症候群は”CPAP”という呼吸補助装置を用いて治療されます。しかし、これは鼻に直接空気を送ることでためフェイスマスクの着用と、エアーポンプにつながるチューブが必要で、違和感がある、寝づらいなどの問題があると言われています。小型化が進んでいるCPAPですがどれもチューブをなくすことに成功していません。
 
Nyxoahは、睡眠時無呼吸症候群といびきを治療するための超小型のインプラント(埋め込み用の機械)を開発しました。神経筋電気刺激治療と呼ばれる革新的な技術を用い、舌の筋肉を刺激することで空気の通り道を確保することが出来るというものです。

Nyxoahの開発した超小型インプラント

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睡眠時無呼吸症候群は、舌の筋肉が弛緩して、喉に落ち込むことで気道を塞いでしまうことで発生します。インプラントを用いて電気的な刺激を送り続けることで、舌を緊張状態に保ち、呼吸を安定化させることができるのです。
 
この人の指先ほどしかない、超小型のインプラントは患者の舌の下に設置することで機能します。その手術はわずか15分で行うことが出来る簡単なもので、しかも一度設置したらその場所にずっと留まり、移動することはないとしています。インプラントは、顎の皮膚の下に毎晩貼られる使い捨てのバッテリーパッチからエネルギーがワイヤレスで送られることで作動し、インプラントから舌の神経に電気的な刺激を一晩中送り続けることが出来るのです。
これは、最長で12年間は人の身体の中で動作し続けることが出来るとされており、音もなく患者に安眠を提供できるとしています。


Nyxoahの開発したこの革新的な技術は、米国商標登録庁によって11の特許として認定されました。この特許によってNyxoahの技術は保障されたとともに、企業としての価値も高められたといいます。これからこの特許を後ろ盾に資金調達と、更なる大規模臨床試験が行われることで、販売までこぎつきたいと考えているようです。
今後、このようにスタートアップ企業が特定の疾患にフォーカスして、革新的な解決策を提示していく例もどんどん増えていくように思い、これからの流れに期待できます。
 
via 【MedGadget


Author Profile

松村 一希
松村 一希ライターTwitter:@kazuki24_
慶應義塾大学医学部4年生。NPO法人ジャパンハートにて、クラウドファンディングプロジェクトを成功させ300万円を集めた実績を持つ。ソーシャルグッドを専門に、NPO向けのネットメディアであるテントセンでのライターを務める他、自身の学業である医学とITとの連携に広く興味を持つ。